CAFE規制について

さて第二回はアメリカ、そしてカリフォルニア州の環境政策、特に自動車について書こうと思っています。

アメリカの環境規制と管轄

アメリカの自動車に対する環境規制には、

①運輸省(DOT)が委任している運輸省高速道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)の連邦燃費(CAFE:Corporate Average Fuel Efficiency)規制、

②米国環境保護庁(EPA:Environmental Protection Agency)の連邦温室効果ガス(GHG:GreenHouse Gas)規制、

③カリフォルニア州大気資源局(CARB:California Air Resource Boad)のカリフォルニア州排ガス規制、

そして

④ゼロエミッション車(ZEV:Zero Emission Vehicle)規制、

の4つが主にあります。

全部を説明すると、かなり長くなってしまうので、今回は①のCAFE規制に絞りたいと思います。

CAFE規制とは?

CAFE規制は企業別平均燃費基準方式と訳され、販売したすべての車の平均燃費を基に、そのメーカに対する燃費規制値が1つ決められて、その値を遵守することを規制したものです。

通常の排気量ごとに細かく設定するのではなく、メーカごとに唯一の規制値となるので、各メーカは自社の保有する技術を鑑みて、その特徴を生かした戦略をとることが可能なことが特徴です。日本でも2020年度から採用予定です。

CAFE規制の歴史(1970-2000年代前半)

このCAFE規制はアメリカが世界に先駆けて採用しました。

1975年の「エネルギー政策・保全法」が乗用車に対して10年後の1985年に27.5mpg(約11.6km/L)と燃費基準を定めたことが最初となります。

続いて小型トラックについては、1979年にCAFE基準による燃費規制が実施されました。当時の規制対象は車両総重量が6,000ポンド(約2,700kg)以下の車種であり、2輪駆動には17.2mpg(約7.3km/L)、4輪駆動には15.8mpg(約6.7km/L)が課されました。

1970-80年代の社会情勢としては、1973年の第一次オイル・ショック、1979年の第二次オイル・ショックという石油問題があり、そこに地球温暖化問題も取り沙汰され始めていました。

当時のアメリカは運輸セクターが全石油消費量の約2/3を占め、自動車が全体の二酸化炭素の約2/3を排出していたため、自動車の燃費規制は国内の石油問題と環境問題の双方にかなり効果がある、と考えられたようです。

ただこの規制は1985年以降の基準については運輸省に委ねられていたため、その後は自動車メーカの抵抗に合い苦労することになります。。。(割愛)

ただし小型トラックについてはこの基準値は段階的に上昇していき、1991年には2WDで20.7mpg(約8.7km/L)、4WDで19.1mpg(約8.1km/L)となりました。その後、解釈の拡大がなされ、1992年以降は2輪、4輪駆動区別なく、小型トラックの基準は20.2mpg(約8.5km/L)となります。

さらに2003年には新しい基準値として、2005年に21.0mpg(約8.9km/L)、2006年に21.6mpg(約9.1km/L)、2007年に22.2mpg(約9.4km/L)が設けられました。

2000年代後半~オバマ政権

さらなる原油価格の高騰と国際的な地球温暖化問題への対応強化を背景に、アメリカでも2007年12月に「包括エネルギー法案」が可決されました。

この法案により2020年までに新車燃費35mpg(約14.8km/L)とすることが決められました。この頃のアメリカの自動車の平均燃費は約25mpg(約10.6km/L)であったので、40%もの改善を自動車メーカは求められました。

前オバマ大統領の政権下、2010年に2012-2016年型車の基準値が示され、2012年に2017-2025年型車の基準が発表。それによると、クレジットなどの柔軟措置はあるものの2017年で36.3mpg(約15.3km/L)、2021年に44.7mpg(約18.9km/L)、そして2025年に54.5mpg(約23.0km/L)へと引き上げられました。

これはこれまでの改善率と比較してかなり厳しい内容と言えます。

トランプ大統領になって

しかし規制緩和や化石燃料重視のトランプ政権により2022-25年基準については見直しが現在検討されています。

新たな規制案が2018年8月に発表。それによると2022-25年の基準値を2020年型車の目標値である37.0mpg(約15.6km/L)に据え置くとのこと。

今後、公聴会が開催され、(基準が変更される場合)最終期限の2020年4月までに交付される予定。

アメリカの規制は乗用車、小型トラックに区分が分かれており、また車両サイズによっても異なるため、各種前提条件によって若干数値が異なることをご理解頂けましたら幸いです。

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